第01話 システム屋とは困っていることを解決すること
世の中には色なん職業がある。人それぞれの能力があり、好き嫌いもある。そうした中でコンピュータのソフトを作る仕事とはどんなものだろうかと考えることがある。30年前ならともかく、今の時代はコンピュータはそこら中にある。ちょっと勉強すればいろんなソフトを自分で作ることが出来る時代です。もはや特殊な職業ではないと思う。
ところがプロという訳ではないが、世の中にはシステム屋(表現は悪いが)と呼ばれる職業がある。
一般の人がちょっとやれば簡単なソフトを作れる時代に何が違うのか?という事になる。私の知っているお客様でも友達に聞きながら結構な仕組みを作っている人を見ると『本当にすごいな』と思います。ただ趣味と仕事は違う、仕事というのはお金という対価をもらう事だ。ボランティアではないからその仕事には価値がなければならない。それが『システム屋』と言われる由縁だと思う。
プログラムを作ることだけがシステム屋ではない。本当のシステム屋というのはお客様の困っている事を解決して上げられる事をするのが本当の仕事なのだと思う。
たまたまその解決の手段としてコンピュータがあったり、プログラムが必要になる事があるというだけのことかも知れない。
昔、あるお客様のシステムを作る時に『ある伝票発行から、経理の振替伝票を兼用するついでの仕組み』を提案し、開発・納品した。(このついでの機能が重要になった)
この時はぶっつけ本番だったが担当セクションの事務員が産休で4人から2人になっていた。ところがこのシステムを入れたら2人で処理が出来てしまった。顧客も予想外の効果に大満足。これって特別すごいシステムでもなんでもない。たまたま経理の仕組みを知っていたからアイディアが出ただけのことなのです。
つまりほんのちょっとした事が大きな効果になるのだが、それはプログラムを作るということではないのです。
『システム屋』という仕事はそういう意味で面白いし、やりがいがある仕事だと思っている。私のよく言う言葉は『困ったものは金になる』です。人は困っていないから対価を払わないのです。